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「んう」

耐えようとしても、嬌声はすぐに出てしまった。
チリンと、揺れる鈴と一緒に、白桜の髪が乱れる。
まさぐるように、脱がされた衣服の裾から真麻は、白すぎる白桜の太ももを何度も撫で上げる。
下着にふれて、そこから緩く秘所を撫でられて、ひゅうと白桜の喉が鳴った。

「キスを……」

強請られるままに、白桜と唇を重ねる真麻。
何度も啄むように口づけをかわし、互いの舌を絡ませ合い、歯茎や上顎などを刺激する。
それから、真麻は、膨らみのない白桜のその薄い胸を何度も右手で撫で上げる。
それから、先端にきつく噛みついて、指で何度も弾いた。

「あ……」

白桜の薄紅色の瞳は、興奮した刺激が血が集まって真紅に輝いていた。

元々アルビノ種である白桜の瞳は真紅だが、何故か両性であるせいか、薄い紅色をしている。両性がもつ、蒼銀も水色も、その色を一つとして持たぬ白桜の、両性としての価値は低い。
だが、それを凌駕するほどの美貌がある。
両性は皆、飛びぬけて美しいが、白桜は中でも際立った美しさを秘めている。

男のように振る舞い、粗野な行動や言動をとるが、艶事となると人が変わったように、淫靡な生き物になった。
それは花街で生きてきたせいもあるかもしれないが、真麻にだけ見せる、本当の白桜の姿。
浅ましくもありながら、人の本能の行動をとる白桜は艶めいている。

「もっと声を出せ。我慢しなくていい」
「んーーー」

白桜の口に指を乱暴につっこんで、それから下着を完全に脱がし、その秘所に舌を入れる。
すると、びくりと白桜の全身が一度痙攣した。

「もういったのか。早いな」
「う、るさ……ああっ」

ぐりぐりと抉られるように中を何度も刺激され、指まで入れられかき回されて、白桜は苦しげに喘いだ。

「あ、あ……」

真麻が、服を脱ぎだす。その金色の髪に手で触れて、白桜は褥で乱れながら、相手を誘うように白い肌を擦り付けてくる。

「こいよ……」
「もういいのか。まだ少ししか濡れていない」
「いいんだよ。俺のそこは濡れるとか、そんな風にあんまりできてないんだから」
「分かった」

白桜の太ももを開き、秘所に真麻は自身を突き入れる。
その灼熱に、白桜は涙を零した。
緩やかに奥まで突き入れられて、それから抉るように何度も軽いストロークを繰り返し、白桜が一番感じるである秘所の入り口付近にねじこむように、何度もたたきつける。

「ひああああ、あ、あ!」

啼くことしかできぬ白い桜は、綺麗な純白の髪を宙に舞わせて、まるでその髪は踊り子のようだ。

ズチュ、グプププと、突き入れられるたびに秘所から愛液が溢れ、互いの体液とまじりあって、泡立っていく。

ぐちゅり。

「いや!それはいや!」

逃げようとする白桜を軽く体重をかけて制する。
支配する。

成人男性のサイズよりは小さいが、子供のそれという大きさではない白桜の花茎を、真麻はそこと秘所の両方か、蕾を一緒に責められると極端に彼が弱いことを知り尽くしているので、彼が嫌がっても、快感を与えるために花茎を手ですりあげた。
たちあがった花茎は先端から白い体液の、快感の証を滲み出させていた。

「あ、あ、いや、いやああぁぁぁ!!」

頭が真っ白になってスパークする衝撃。
ズンと、腹の奥まで真麻が熱の楔を突き入れ、そして揺さぶった。
それと一緒に、くちゅくちゅと音をたてて、激しく白桜の花茎を手で扱う。

「あああ!!」

白桜は、秘所で真麻の精液を受け止めながら、涙を零す。この子種で、孕むことが本当にできるのなら、子が欲しい。
愛する人の子が。
男なのか女なのか、思考は曖昧になる瞬間。
両性であっても、白桜の性格は男性的なものであった。だが、真麻と肌を重ねる度に、それは女の方向へと傾きつつあった。

ぐりりと、先端に爪を立てられて、白桜はすすり泣きながら、射精した。
白い体液で、真麻の手を汚して。

「そこは……いやだって、いってるの、に」

子供のように泣きじゃくる白桜の秘所から楔を抜き、何を思ったか、真麻は弱いという白桜の花茎を口に含んだ。

「いやぁぁ!!」

暴れようにも、体力が残されていない。

「あ、あ、だめぇ……」

ねっとりと、絡みついてくる舌の温度と、口に含まれるたびに、その衝動ですぐに射精しそうになるが、根元を戒められて、どうしようもない快感だけが、頭をぐるぐる廻っていた。

「うあああぁぁぁ!」

こぷり。
秘所から流れ出た二人の体液が混ざった液体が、白桜の太ももを汚していく。そこに右手の指を突き入れて、秘所の入り口、女の身体の部分で最も感じる部分を撫でるように、そしてくりくりと何度も刺激する。

「あ、あ、やらぁ!」

白桜は涙を零して、もう自分が何を言っているのかさえ理解していない。
飲み込み切れなかった唾液が、顎を伝って銀の糸を引く。

びくんと、強張る躰。弓なりにしなる背中。

「だ、めぇ!」

痙攣する足。布団のシーツをひっかく指の爪。
くちゃり、ぐちゅ。
何度もなめあげられる。
何度もいじられて、真麻の口の中であっけなくいってしまった後は、放心したように時折体を痙攣させて、余韻に支配されていた。

白桜は、涙を一筋零して、微睡むように意識を失った。

躰を重ねることを何度望んでも、この躰に命が宿ることは、きっとない。真麻に抱えられて、湯殿で後始末と躰を洗われていた時、ふと白桜は目を覚ました。
湯の中にゆらゆら浮かんでいる長い白い髪と、真麻の金髪がまじりあっていた。

そして、傷ができたわけでもないのに、血を湯に滲ませる秘所。
止まっていたと思っていた月経がまた始まったのだろう。彼は両性であるが故に、月経もまた不規則に訪れる。

何度体を重ねても、流れていく命の元。
孕むことなどありはしないのだ。

白桜は、知っている。花街で一度医者に診てもらった時、子を望むのは絶望的であると医者に言われたのだ。月のものはあるかもしれないが、正常に妊娠することは不可能。
その時は鼻で笑った。
両性であり、色子として商いをしていたので、子供などいらないし、欲しくもないと。
だが、今は。

流れていく血の色を忘れようと、白桜は真麻の肩に頭をすり寄せる。

「どうした?」
「ううん。なんでもない、から………」

悟られてはいけない。この寂寞とした不安と、虚しさを。
白桜は、真麻の空の色に似た瞳に向かって、曖昧に微笑んだ。

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